■ 抄録・要旨
| 振動規制法に基づく要請限度については、沿道住民の振動感覚との乖離が指摘されている。例えば平成23年度の振動規制法施行状況調査結果では、指定地域内の道路交通振動の苦情件数は255件あるのに対し、振動測定件数は86件、要請限度を超過していたのは3件と約1%に過ぎなかった。そこで本研究では、1998〜2011年に実施された4回の道路交通振動に関する社会調査の結果を用い、要請限度の妥当性を検証した。その結果、振動規制法制定時の調査結果と比較して、近年の調査ではアノイアンスが厳しくなる傾向が見られた。この結果は、現在の住民感覚との整合を図るためには、要請限度を下げる必要があることを示唆するものである。
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